ウズベキスタンを訪問中の小泉純一郎首相は29日午後、タシケント市内
で同行記者団と懇談した。首相は、自民党総裁選で自らが支持する候補を
9月8日の告示後に最終的に決める考えを示した上で「言う方がいいか、
言わない方がいいか、その時に判断する。臨機応変だ」と述べ、明言しな
い可能性を示唆した。首相はこれまで、候補者が出そろった段階で支持す
る候補を表明する意向を示していた。首相の意中の後継者とされる安倍晋
官房長官は既に圧倒的優位を固めていることから、あえて後継指名する
必要はないとの判断に傾いたとみられる。首相は「自民党民主党も勝ち
馬に乗ろうという動きが強まっている」と述べ、安倍氏が独走状態にある
ことを認めた。

 

自民党の各派閥が安倍氏支持を打ち出し、勝ち馬に乗ろうとする動きが露
骨になってきては、小泉首相としても後継指名をすれば、さらに総裁選が
しらけムードになってしまうと判断したのだろう。総裁候補の麻生氏も谷
垣氏も党内における安倍氏の圧倒的な優位前に、支援をしなければならな
いはずの反安倍陣営は自主投票を決め込み、文字通り孤軍奮闘の状態にま
で追い込まれてしまった。選挙によって決める以上、対抗馬がいて欲しい
ものだが、反安倍陣営の旗印であった福田元官房長官が不出馬を宣言した
ことで、離散し安倍氏支持に傾くと言う傍から見ていると何ともみっとも
ない行動をとっている。アジア外交靖国神社不参拝を掲げる谷垣氏を支
援するのが筋ではなかったのか。

 

いずれにしても流れを変えるには、安倍氏がよほどの不祥事を起こさない
限りはこのまま決着だろう。すでに反安倍陣営は安倍政権が誕生してもス
キャンダルを使って短命に終わらせようとする流れに傾きつつあると言う。
それが我が国にとって好ましいとはとでも思えず、安倍氏に何ら問題が無
い中で足を引っ張るような真似だけはして欲しくないものだ。