自民党総裁選は20日午後、党員票の開票と党所属国会議員の投開票が行わ
れ、安倍晋三官房長官が第一回投票で全体の66%の票を獲得し、麻生太郎
外相、谷垣禎一財務相に圧勝した。その後、党本部で開かれた党大会に代わ
両院議員総会で、第21代総裁に選出された。同党総裁としては初の戦後
生まれで、最年少。安倍氏は、臨時国会が召集される26日の衆参両院本会
議で、第90代、57人目の首相に指名され、同日中に新内閣を発足させる
見通しだ。首相就任時の年齢でも、戦後では田中角栄・元首相の54歳を抜
いて最年少となる。今回の総裁選は、小泉純一郎首相の任期満了に伴うもの
で、安倍氏の総裁任期は、2009年9月30日まで。

 

圧倒的なまでの支持を集めた安倍官房長官が、事前の予想通り自民党総裁
就任することとなった。政界のサラブレッドとして、そして父晋太郎の成し
得なかった総理総裁の座につけたのは、万感の思いであろう。安倍新総裁は
「伝統ある自民党総裁の地位の重さを改めて認識している。初の戦後生まれ
の総裁として、理想の炎を絶やすことなく、改革の松明を受け継いでいくこ
とを宣言していく」と抱負を述べ、あくまで改革路線を継承していくことを
高らかに宣言した。だが圧倒的な支持を集めたとは言え、その内情は決して
一枚岩ではなく、足を引っ張ろうとする勢力を抱えこんでいるのは間違いな
いのではなかろうか。

 

2位につけた麻生外相は路線としては、安倍新総裁と近いものがあり北朝鮮
の制裁決議で見せたような安倍・麻生のコンビが次期政権でも形を変えて見
られるかもしれない。谷垣財務相は反安倍陣営の大将として立った以上は、
安倍政権に組することはよもやないであろうし、弱小派閥の谷垣派としても
苦難の時期が続くだろう。