民主党小沢一郎代表は7日午後、党本部で開かれる所属全議員を対象に
した両院議員懇談会に出席し、辞意撤回に至った経緯を説明するとともに、
続投に当たっての決意を示す。続いて記者会見し、正式に続投の意向を表
明する。これに関し、鳩山由紀夫幹事長は同日午前、都内で記者団に「小
沢氏もご本人の言葉で今回の経緯を分かりやすく説明すると思う」と強調。
今後の国会対応については「従来の方針を変える必要はない。政策協議の
話が出たが、そのような方向でどんどん協議を進めていくように転換する
ということではない」と述べた。

 

いったい小沢氏の辞意表明は何だったのであろうか。自身の政治信条に基
づいて自民党との大連立を模索し、それが民主党内で受け入れられなかっ
たからこそ、辞任を決意したのではないか。その手法そのものは評価出来
るものではないかもしれないが、一応スジは通っているはずだ。それとも
民主党執行部の総意で留まったと言うことにすれば、党内は抑えられると
判断したことで収まっただけなのだろうか。いずれにしても、小沢代表、
民主党執行部は説明責任を果たす必要がある。一度辞めるとしたのを撤回
した理由、また撤回を呑む代りの交換条件があったのか多くの疑問が残る。

 

簡単に言ってしまえば民主党内ゲバに過ぎなかったのかもしれないが、
民主党こそ次の政権を担う政党との期待を込めて参院選で投票した有権者
を蔑ろにしたことに違いは無い。明確な説明が果たされない時は民主党
信頼を失うことであろう。それだけのリスクを背負う覚悟があって小沢氏
を押し留めたのなら言うことは無いのだが、小沢氏を縛りつけておかない
と離党されかねないとの恐れからでは話にならない。民主党は正に正念場
である。