映画評論家が特定の映画のCMで「これは最高」的なべた褒めをしているが、あれ
はその映画評論家が映画配給会社の犬になったと解釈して良いのだろうか。評論家
とは評論でメシを食っているのであって、褒めちぎることでメシを食わされるので
は、余りに不甲斐ないことだ。

 

本来、映画誌では本当に信頼される評論家がきちんとした論評を書いていたものだ
が、映画誌の乱立もありそのほとんどが淘汰されていった。映画がテレビと強力な
タッグを組んだ時には、彼等の役割もほとんど終わりテレビ映えのする評論家だけ
が生き残ってしまった。その成れの果てが今の体たらくなのだから直視するにはあ
まりに厳しい現実である。