本来、我が国の内政問題に過ぎない教科書が近隣諸国(中韓)によりまるで外
交問題のように扱われるのは、甚だ遺憾なことだ。しかし、これに迎合するよ
うに一部マスコミは特定の歴史教科書を採択させないようキャンペーンを張り、
大はしゃぎをしてきた。かと思えば中韓との歴史認識の共有を提案したりと、
あっちにいったりこっちにいったりでお忙しいことだ。

 

4月の日中外相会談では中国側が「偏っている」と指摘する日本のある歴史教
科書に関して、町村外相は「どこが偏っているのか指摘してほしい。内容を読
んだのか?」と詰め寄ったところ、中国の李肇星外相の答えは「読んでいない」
であった。そう、これが実態なのだ。あっさりと「読んでいない」と言える厚
かましさは置いておくとして、読んでいないものをどうやって判断したのか、
一部マスコミの御注進に踊らされたのなら滑稽なことではないか。

 

我が国と韓国の研究者で行われていた歴史認識の共同研究も、お互いの主張が
平行したまま、双方の主張をそのまま両論併記するに終わっている。歴史認識
の共有自体が不可能に近い以上、訳がわからないところで妥協されても困るわ
けで、日韓両政府は第2期の共同研究を実施することで合意しているが、両論
併記が最終結果となりそうだ。

 

これらのいわゆる教科書問題を受けて、中韓の歴史教科書がどのような内容な
のかというような本が次々に出版されており、読んでみると中韓が果たして人
のことを言えた義理なのかと思ってしまう内容だ。都合の悪い部分はぼかす、
書かない、他国のせいにする、といった感じの苦笑続きの内容なので是非読ん
でみて欲しい。