韓国外交通商省は30日、日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)を、
日本の領土と明確に記述するよう求めた文部科学省による2007年度高校教
科書の検定結果について、撤回を要求し「断固とした対処をする」との声明を
発表した。潘基文外交通商相は同日、聯合ニュースに「遺憾の意を表明する」
と言明。韓国政府は同日、大島正太郎駐韓大使を呼び正式に抗議する予定。
昨年2月、島根県の「竹島の日」条例を発端にした日韓関係の悪化は、小泉純
一郎首相の靖国神社参拝で首脳外交が中断するなどさらに深刻化しており、教
科書検定をめぐり韓国側が強硬な態度に出ると明言したことで、日韓の対立は
さらに深まりそうだ。

 

教科書検定の撤回を要求するなど有り得ない話だが、さらに言えば事実を事実
と書いてなんの問題があると言うのか。第一、実効支配している側が殊更に騒
ぎ立てること自体に珍妙ささえ感じてしまう。わざわざ我が国の国民に竹島
日韓の間で領有権を争っているのだと表明するようなものではないか。本来で
あれば我が国が韓国に対して騒ぎ立てるのが筋であるのに、まったくもって触
れようとはしないまま韓国の支配を許してから半世紀が経過してしまっている。
とにかく我が国に対して張り合おうとする虚勢をもってしても、我が国の国民
竹島に目を向けようとしないのだから、言わずもがなである。

 

大島大使には是非とも王毅駐日大使のように、外務省に呼びつけられても多忙
のためと称して出向かなかったことに倣い、電話にて抗議を受け付けるがよろ
しい。日韓の対立は日中同様に、別に靖国神社の参拝があろうがなかろうが、
いくらでも両国間には問題が横たわっているのが竹島問題を見れば明らかであ
ろう。参拝しないことで、竹島が戻ってくるわけでもないのだ。実効支配を許
している以上、国際社会にアピールでもするくらいしか手の内ようはない。そ
れにはあまりに時間が経ちすぎているのが残念なことだ。