在日本大韓民国民団は6日、在日本朝鮮人総連合会と5月に合意した「和
解」の共同声明を白紙撤回すると発表した。河団長名による談話文では、
北朝鮮が長距離弾道ミサイルテポドン2号」の発射を強行したことに触
れ、「ミサイルの連続的な発射は私たち在日同胞のみならず、日本国民を
大きな不安に陥れた。このような蛮行は断じて許すことはできない」と厳
しく断じた。そのうえで「いたずらに日本の国民感情を悪化させ続けるの
は、在日同胞の生命と財産を守る民団として決して容認できない」とし、
白紙撤回せざるを得ないと判断した。さらに北朝鮮に対し、ミサイルと核
開発の即時停止と再発防止を求め、総連に対しても積極的に呼応するよう
訴えるとしている。

 

当たり前と言えば当たり前の話である。もともとが地方本部に根回しする
ことなく、5月に歴史的和解を演出したつもりだったのが、6月には北朝
鮮本国がテポドン発射の構えをとり、民団が考えていたよりも難しい状況
に自ら追い込まれてしまったと言えるだろう。7発ものミサイルを断続的
に撃ち込まれては、さすがの民団の幹部達も総連と一緒くたに見られては
困ってしまうであろうし、何よりも北朝鮮の肩を持ったと言える総連との
和解は地方本部からは中央の意に反して、従わないところも出ていただけ
に、白紙撤回するには良い口実であったかもしれない。野合とは正にこの
ことではないか。

 

ただし、河団長は、毎日新聞のインタビューでは、撤回理由とした北朝鮮
のミサイル打ち上げ姿勢を改めれば、将来的に再び和解に向け話し合う余
地があるとの見解を示しており、何とも甘いとしか言いようが無い。本当
にまともな国家であるなら、今回のようなミサイルの乱射など行いのであ
って、それでもなお彼等と和解したいと言うのであれば、その理由はいっ
たいなんなのだろうかと勘繰られても仕方あるまい。総連との和解は半永
久的に凍結すべき、愚策でしかない。