中国の食品監督部門が行なった一斉調査で、180か所の食品加工工場に
重大な違法行為があったとして、工場閉鎖命令が出された、と海外メディ
アが報道した。とてもにわかには信じられないことだが、香港の食品分析
機関によると、ある工場では大豆の代わりに人間の頭髪を使って醤油を生
産していたという。この頭髪醤油、味は大豆醤油と変わらないそうだが、
人間の頭髪には鉛をはじめとする有害な重金属が含まれており、これを摂
取することは人体に重大な危険を及ぼすと警告している。

 

我が国の食肉偽装がまだかわいいと思えるようなことが、中国国内では行
われているようだ。食肉の偽装は牛では無く他の肉を使ったものであって
それ自体が食べられないような代物ではなかった。頭髪は当然、食品では
なく味や見た目が例え同じであろうとも摂取すれば、必ず人体に悪影響を
及ぼす、そんな危険な代物を儲けのために売り出すとは正気の沙汰では無
かろう。このような違法行為が罷り通っている中国国内だけで話が済めば
良いが、そうではないため何とかしてもらわなねば困るのだ。

 

普通の国であれば製造された食品の成分を監督する公的な機関があるはず
だが、グリーンピース北京支部の関係者は食品監督部門と業者との癒着が
原因だと語っており、役人の腐敗を正さなければ食の安全は守れないと指
摘している。業者と役人が結びついていては、監督も何もあったものでは
ないと言うことだ。中国が真に大国となろうとするのであれば、まずは腐
敗した国内の体制を浄化して見せること以外にあるまい。