次期衆院選を控え、自民党は22日、新人候補者を党本部に招き、懇談会
を開いた。小泉純一郎元首相の引退表明を受け、神奈川11区から出馬す
る次男、進次郎氏も出席したが、平成17年の郵政選挙自民党が圧勝し、
空白区が少なかったこともあり、新人候補は23人と近年にない少なさ。
有望株の民主党への流出は後を絶たず、自民党の台所事情の苦しさをうか
がわせた。「自民党再建の先頭に立ってほしい。みなさん全員が当選すれ
自民党はよみがえる。ひたすら前進あるのみ、と自らに言い聞かせて頑
張ってほしい」。懇談会で古賀誠選対委員長はこうげきを飛ばした。ハッ
パをかけたが、出席した22人は一様に厳しい表情。解散の時期をめぐり
質問が集中したが、古賀氏は「これから外交日程も含め月末まで見ていれ
ばその先が見えてくるのではないか」と歯切れが悪かった。

 

郵政選挙自民党にかつてない大勝をもたらしたものの、その後に残され
負の遺産は決して小さなものではなかったようだ。良い意味でも悪い意
味でも勢いだけで勝ってしまっただけに、いわゆる小泉チルドレンと呼ば
れる一年生議員が、どれだけ国会に戻ってこられるか危ぶまれている。少
なくとも現有議席の維持が難しい以上、過半数維持に最大の力を注ぐこと
となるだろう。郵政選挙で勝ち過ぎたことによって、ほとんどの選挙区に
空きが無く、かと言って差し替えをしようにも、現職を移動させるわけに
もいくまい。特に世界的な金融不安の中で、当初目論んでいた臨時国会
頭での衆院解散と言うシナリオが崩れ、与野党ともにいつ解散になるのか、
それだけが気になるのではないか。古賀選対委員長の歯切れが悪いのも、
そう言った理由からであろう。