民主党小沢一郎代表の元秘書で、次期衆院選で神奈川18区からの出馬
を予定している樋高剛衆院議員が、小沢氏と撮影したポスターとは別に
一部で同党の蓮舫参院議員とのポスターを張り始めたことが党内に波紋を
広げている。理由は「小沢氏の書生を振り出しに秘書まで務めた樋高氏が
別の議員と写ったポスターに張り替えなければならないほど選挙情勢が厳
しい」とみられているためだ。西松建設の違法献金事件に絡む小沢氏の「
政治とカネ」の問題の影響を指摘する声もあり、ほかの議員も人ごとでな
いと受け止めているからともみられる。党内では小沢氏の進退問題がくす
ぶり続けており、小沢氏とのポスターを掲示しては選挙にマイナスとの声
が少なくない。

 

トップの人気が低迷してくると、一緒に写ったポスターでは自分のイメー
ジまでが悪くなると思ったのか、樋高氏の地元事務所によると「今でも9
割以上が小沢氏と撮影したポスターであり、事件があったから蓮舫氏との
ポスターを張っているのではない」と説明しているものの、元秘書だけに
小沢代表や逮捕された公設秘書と距離が近いと有権者に思われては損との
判断であろう。当落選上にいる候補者にとっては、逆風が吹けば一気に落
選の危険が出てくるであろうし、少しでもマイナス要素は減らしておきた
い思惑ではないか。小沢代表を担いだままで、民主党は次期衆院選で勝利
を収められるのか、選挙に強いとされる小沢代表自身はどう考えているの
だろう。政権交代を果たすことが自分の仕事と言いつつも、自分が原因で
勝ち切れない結果に終われば、ますます国会は混乱するのではなかろうか。