菅直人首相の後継を決める民主党代表選は29日午後、党両院議員総会での所属議員に
よる決選投票の結果、野田佳彦財務相海江田万里経済産業相を破り、新代表に選出さ
れた。30日の衆院本会議で第95代、62人目の首相に指名される。1回目の投票で
2位だった野田氏が、3位以下につけた前原誠司前外相や鹿野道彦農相らの支持票を取
り込み、党内最大の人数を抱える小沢一郎元代表と、鳩山由紀夫前首相の両グループか
ら全面支援を受けた海江田氏を逆転した。決選投票の得票は野田氏215票、海江田氏
177票で、有効投票総数は392票。1回目の投票では海江田氏が143票で1位だ
ったが過半数に届かず、102票で2位となった野田氏との決選投票にもつれこんだ。
3位以下は前原氏が74票、鹿野道彦農相が52票、馬淵澄夫国土交通相が24票だ
った。決選投票に先立ち、鹿野陣営は野田氏に投票する方針で一致した。

 

予想通りの結果となったようだ。1回目では海江田氏が小鳩連合の票でトップに立った
ものの、決選投票では事前に調整が済んでいた野田氏・前原氏の2・3位連合に、さら
に鹿野氏が乗っかったことで、勝敗は確定した。これで小沢氏は代表選3連敗となり、
さらに求心力が低下するのは間違い無い。小沢グループの票を当てにせず、勝利したこ
とは野田や前原氏にとって大きな意味を持つことだろう。世論調査では前原氏が圧倒的
な支持を集めていたものの、外国人からの献金問題が片付いておらず、民主党内では支
持を集めるには至らなかった。だが、野田氏に恩を売ったことに変わりは無く、おそら
く要職に起用されるはずだ。さらに勝ち馬に乗った鹿野氏も引き続き入閣するのではな
いか。一方の小沢氏は幹事長職への復帰は難しくなり、党員資格停止の処分も解除され
ないだろう。小鳩連合にとっては痛すぎる敗退となった。