野田佳彦首相は14日、テレビ東京番組に出演し、内閣改造で消費税増税を含む社会
保障と税の一体改革を進めるための態勢を強化したことを強調し、「この国を守るた
め、私の政治生命をかけて一体改革をやり抜く」と強い決意を表明した。衆院解散・
総選挙で増税に関して信を問う可能性も示唆した。首相は番組で、フランス国債格下
げで欧州債務危機が深刻化していることを挙げ、「対岸の火事ではない。フランスで
すら格付けが変わるときに、今さえよければいいという財政運営では日本にスポット
ライトが当たる」と語り、財政再建が急務と強調した。

 

内閣改造で態勢を強化したと言うものの、誰もそうだとは思っていないのが現実では
ないか。問責閣僚を更迭し、副総理として岡田氏を迎えたわけだが、果たして野田政
権は税と社会保障の一体改革、行政改革、政治改革をやり遂げることが出来るであろ
うか。思えば野田政権が誕生してから、まだ数カ月しか経っていない。にも関わらず
内閣改造とはおかしな話である。こうも閣僚がコロコロと変わると、民主党が言うと
ころの政治主導など、とうてい実現出来ないのではないか。不幸なことに民主党には
ベテラン議員が少なく、入閣させようにも人材が払拭しているようにも見えるのだ。
素人発言で批判を浴びた一川氏の後任が、同じ「素人」の田中直紀氏であったことも
その証左である。