民主党は3日、環太平洋戦略的経済連携協定交渉参加に向けた日米事前協議が7日に
始まるのを前に、約3カ月ぶりに経済連携プロジェクトチームの総会を開いた。反対
派は、PT幹部が交渉参加を前提に議論を進めようとしていると反発。予定していた
事前協議に関する政府側の説明は中止され、党内の亀裂の深さが改めて浮き彫りにな
った。会合では、昨年11月の野田佳彦首相の「交渉参加表明」を受け、鉢呂吉雄
長が「首相の発言が大きな世界の経済連携の動きを作った」と発言。これに反対派の
山田正彦農水相が「発言が偏っている」と批判した。総会を非公開としたPT幹部
の運営手法に対しても「独裁者だ」などと罵声が飛び交った。

 

野田首相はTPPの交渉参加では無く、事前協議参加を表明したに過ぎないとして、
党内の反対派を宥めていたわけだが、それは単なる先送りに過ぎなかった。日米事前
協議が始まる前に党内の地ならしをしておくはずが、反対派に勢いを与える結果とな
ったのではないか。事前協議では、米国側は農業市場の開放要求や我が国に対する自
動車輸出の拡大要求など、かなりの要求が出てくるであろうし、そのまま押し切られ
かねない。しかし、そう言った懸念とは別のところで、民主党内はもめているのだか
ら、話にならないレベルである。賛成派、反対派で言い争っている間にも事前協議
進んでいく。野田首相はそろそろ腹をくくるべきである。