民主党藤井裕久税制調査会長は28日、神戸市内で講演し、消費増税に関して野田
佳彦首相に「うそをつくな、ぶれるな、この二つを徹底しろ」と助言していることを
明らかにした。藤井氏は、中曽根康弘元首相が「いわゆる大型間接税というようなも
のはやりません」と国会で答弁した後に「売上税」法案を提出した経緯に触れ、「先
輩に言いづらいが、ごまかした」と批判。また、橋本龍太郎元首相が恒久減税をめぐ
る発言のぶれにより参院選で大敗したことにも言及し、「この2人の先輩の経験から
申し上げている」と説明した。

 

野田首相が消費増税にどれだけ本気なのか、その辺のところは国民の目には見えてこ
ない。ねじれ状態が続く中、参院の野党は対決姿勢を強めている。国会が機能不全に
陥っているのは、誰の目にも明らかである。粘り強く野党を説得しようとするわけで
もなく、時間だけが空費している。さらに小沢グループ反増税を掲げて野田首相
対峙する姿勢を明確にしている。選挙が近いとの空気が党内に流れるためであろうが、
9月の代表選で野田首相がすんなり再選とはならないだろう。新人議員が多数を占め
小沢グループは、選挙で勝てる顔を選ぼうとするに違いない。野田首相がぶれよう
がぶれまいが、厳しい政権運営となるのは確定している。