安倍首相は、15日に環太平洋経済連携協定交渉参加を表明するのに合わせ、TPP
担当相を新設し、甘利経済再生相に兼務させる方針を固めた。同日付で任命する。T
PPは、農産品や工業製品の関税だけではなく、知的財産の保護や投資のルール作り
など21分野を扱っている。関係府省が複数にまたがるため、交渉に臨むにあたって
は、総合調整を担う「司令塔」が必要と判断した。

 

自民党が政権を奪還した時点で、TPPの交渉参加表明は既定路線だったわけだが、
菅氏や野田氏が党内をまとめきれず、結局は店晒しにしてしまったのとは大違いであ
る。むろん、自民党内にもTPP参加について懸念する議員がいるのも確かである。
聖域を確保出来るのかは、それこそ「交渉」の手腕が問われることになる。その役割
を甘利氏が担うことになるのだとすれば、かなり難しい役目ではないか。米国側も早
々に自動車の関税は当面維持することを条件提示しており、自由貿易とは名ばかりの
状態にならなければ良いのだが。