先の参院選沖縄選挙区で自民党公認候補が敗れ、「反基地」の象徴的存在の糸数慶子
が3選されたことについて、米軍普天間飛行場の同県名護市辺野古への移設を目指す政
府は「移設実現は難しさを増した」と厳しく受け止めている。政府は沖縄振興予算の増
額なども検討し、移設に向けた環境整備を進める方針だが、展望は開けていない。

 

官房長官は「選挙結果は冷静に分析している」とし、「名護市では全く(糸数氏と自
民候補の)票差がなかった。全体では糸数氏は前回より9万票ぐらい少なくなった」と
指摘し、移設反対の声は圧倒的ではないとの認識を示した。とは言え、自民党が沖縄で
勝てなかったことも事実である。普天間基地の移設問題は民主党の置き土産の一つだが、
ますます解決が難しくなっている。来年早々に行われる名護市長選で、移設反対派が勝
利すれば、いよいよ袋小路に陥ることになるだろう。