安倍晋三首相は14日、集団的自衛権の行使を認めるケースに関し、シーレ
ーンでの機雷除去も含めるべきだとの考えを明らかにした。公明党は行使を
一部認める方針に転じたものの、従来の政府の憲法解釈との整合性を重視し
て、日本周辺有事の際の米艦船防護にとどめたい意向。対象範囲拡大を首相
が公然と求めたことで公明党は今後の与党協議で難しい判断を迫られそうだ。

 

公明党にとって与党であり続けることが至上命題なのだろうが、集団的自衛
権の行使容認は踏み絵そのものだろう。これまでの公明党の行動パターンか
らすれば、自民党から譲歩を引き出して仕方なく納得する、そんな例が何度
もあった。そうでなければ、イラクへの自衛隊派遣など実現するはずがなか
ったのではないか。集団的自衛権の行使容認に向け、公明党の落としどころ
はどこになるか。自民・公明の心理戦は続いている。