安倍晋三首相は9日午前、消費税率引き上げの是非を争点に早期に衆院解散・総選挙
に踏み切る可能性について「全く考えていない」と否定した。羽田空港で記者団の質
問に答えた。首相は来年10月から消費税率を法律通り10%に引き上げるかどうか
について「7〜9月期の国内総生産の数値や、有識者の皆さんの議論を踏まえながら
慎重に判断をしていきたい」と語った。

 

消費税率の引き上げの是非を争点にするほど、安倍首相に博打は打てないだろう。現
在の議席数を減らしてまで、得られるメリットがあまりに少ない。それとも、どうせ
議席を減らすのなら影響が少ないうちに、との判断をするのだろうか。確かに不人気
な政策を実施した後に選挙をするより、実施する前に選挙をした方がダメージは小さ
いかもしれないが、あまりに場当たり的ではないか。おそらく安倍首相は粛々と引き
上げを決めることだろう。そうでなければ、かえって支持率を落とすことになる。