歴史と言えば「固定」された情報と誰しも思いがちだ。
残念ながら歴史とは後の世代が教える、伝えるものであってビデオ等の
記録媒体のある現代ならいざ知らず、近代の歴史とて怪しいものである。
多くは書簡や日記で後世の歴史家達が史書として編纂していくのであろ
うが、例えばさりげない嘘も真実味があれば教科書に載ってしまう可能
性もあるだろう。

 

戦前、「ノモンハン事変」という日ソ間の国境紛争があった。今の教科
書ではどのように教えられているかはわからないが、関東軍という日本
支那派遣軍ソ連の大規模な機械化部隊に木っ端微塵に粉砕された、
程度の認識を俺は持っていた。
だがソ連崩壊後、しばらくしてノモンハン戦の資料が公開されると実態
関東軍の勝利と言っても良いほどの打撃をソ連軍に与えていたのだ。
とかく旧日本軍を貶める戦後教育の中で、「身の程を知らぬ日本人」を
描こうとしたのだろうか。

 

終わったことだけが真実ではない、歴史とは常に勝者の側にある。敗者
の視点からも見る、この姿勢が新たな情報を掘り出すことになるのだ。