いわゆるプロレスという「娯楽」は、今の日本においては瀕死の状態にある。
言わずもがなK−1やPRIDEといった総合格闘技がコンテンツとして成立した
影響で、本当のリアリティを求めるファンはプロレスを見向きもしなくなった。
本来、プロレスでは決め技・大技の説得力は求められても、あくまで娯楽の範囲で
あった。見ているほうもそれで納得していたわけだ。

 

だがハイキック一撃でKO、腕ひしぎ逆十字ですぐにタップといった光景を目の当
たりするようになると、今までハイキックを頭にいれられても倒れない、腕ひしぎ
逆十字を何十秒も耐える姿はうそ臭さの象徴になった。ショーのために鍛えあげた
体も人体の急所を衝かれれば、脆くも崩れ去る。

 

そんな流れに乗る形で新日本プロレスは格闘技路線に手を染めたが、プロレスラー
の「強さ」を証明するどころか、「弱さ」のみ証明する結果であった。結果的に本
業のプロレスでもさらなる客離れを生み、泥沼の悪循環を引き起こしている。正に
新日は終わりなき迷路で彷徨い続けている・・・(2に続く)