3月10日は忌まわしき東京大空襲の日である。
戦争にも最低限のルールはある。東京大空襲自体が初めから一般市民を主目標
とした大量虐殺作戦だった。明らかな国際法違反であり、全国の都市を焼き尽
くした米軍の行為は戦争犯罪以外の何ものでもないのだ。

 

連合軍も枢軸国同様に裁かれるべき立場にあるはずだが、やはり「勝てば官軍」
なのである。徹底的な攻撃で市民の士気をくじくことが戦争の早期終結につな
がるとする「ドゥーエ理論」を持ち出すまでもなく、勝てばある程度のことは
うやむやに出来る、それが戦争なのだ。

 

だが計らずも敗者になった身とて口を閉ざす必要はない。勝者の非を徹底的に
明らかにして、示さなくてはならない。それをすべき立場の我が国は何をして
きたか。なんと一連の無差別空襲の立案者、カーチス・ルメイ将軍に勲一等旭
日大綬章を贈っている。戦後、航空自衛隊を育成した功績として、が理由らし
いが何とも珍妙なことではないか。

 

彼自身、 「もし、われわれが負けていたら、私は戦争犯罪人として裁かれて
いただろう。幸い、私は勝者の方に属していた」と戦争犯罪であることを後年
語った言葉として残している。敗者だからと言って、何もかも許容するなんて
馬鹿げたことではなかろうか。しょせん、犯罪は犯罪なのだ。