全日がフリー・外国人選手への試合提供場になりつつある。猛威を振るうRO&D
にしても太陽ケア以外は全日所属ではなく、新ユニットのブードゥー・マーダーズ
は元DRAGON GATE勢と元WWE勢の連合軍である。もともと分裂後は選
手層の薄さが弱点であったので、それはそれで結構なことでもある。

 

だが、となると全日所属選手の立場はどうなるのか。メインを張れるのは武藤・小
島くらいなものだ。元WAR勢は完璧に前座要員に成り下がっているわけで、ジュ
ニアだけでなく、ヘビーも新人が育つまでは今のようにフリー・外国人選手をリン
グに上げ続けざるを得ない。正に自転車操業とならざるを得ない。特に資金面で厳
しいとさえる全日なら尚更である。

 

契約形態も会社と選手間の年俸制しかり、格闘技系の試合のように試合毎の契約し
かりメリット、デメリットもありプロレス団体も試行錯誤していることだろう。
「純血」を固持する団体もあれば、「混血」を繰り返さざるを得ない団体もある。
しかし最終的に団体を選ぶのはファンである。ファンを如何に楽しませるのか、基
本中の基本を守れない団体は潰れていくのだ。(11に続く)