中国の反日の名を借りた官製デモは収まることなく、今週末も続いているよう
だ。現地に進出している日系企業の方々も気が気でないことであろう。さらに
は修学旅行やツアーのキャンセルも相次ぐものの、中国政府は暴徒と化したデ
モ隊を取り締まりもせず、黙認状態なのもこれまで通りだ。当たり前のことだ
が、国家はそこに暮らす国民だけでなく、外国籍の人間を守る義務を負ってい
る。こういう時こそ脱北者を取り締まる際の力を見せてもらいたいものだ。

 

上海のデモでは事前にデモ参加者たちの間で「抗議活動手引」を作成し回覧。
その手引にはトマトと卵、小泉首相肖像、ライター、日本国旗の持参、運動靴
着用、日本製品は持ってこないなどとの詳細な説明が書いてあったとのこと。
笑えるのは「日本製品は持ってこない」の一項目。それだけ日本製品が中国で
浸透していることが伺え、何だかんだで日本製品を買ってしまっている彼等の
姿を想像すると、ある意味「微笑ましい」。

 

デモが過激化することで一番損をするのは中国政府だけに、適当なとこでデモ
を収束させる必要はあるはずだが、ガスの抜けきらないうちに蓋をすれば、い
ずれ爆発するのは目に見えている。一党独裁の歪みとはかくも深刻な状態に陥
っているのだと、外国メディアも冷静に報じているわけで、対応に苦慮してい
るのは日中両国であることに違いない。