中国の呉儀副首相が小泉純一郎首相との会談を土壇場でキャンセルした問題に
ついて、小泉首相靖国参拝が問題であると言う指摘が一部から聞こえてくる
が正にノイズそのものである。外交においてドタキャンなんぞ非礼としか評す
ることは出来ないわけで、なぜこちらの問題にされなければならないのか、そ
もそもこちらからご丁寧に靖国が問題ですか?と訊ねる必要はあるまい。会い
たくないなら帰ってもらって結構だ。

 

これに便乗する形で朝日26日付の天声人語がドイツで完成した「ホロコース
ト記念碑」に関連して、国籍などを問わない戦死者の追悼施設「ノイエ・ワッ
ヘ」を挙げ追悼のありかたが改めて問われる、戦後60年の夏が近いとして締
めくくっている。靖国問題を焚きつけてきた朝日らしい書き方ではないか。靖
国の名を敢えて出さず、ドイツの「威光」を借りる姑息な内容に呆れてしまう。

 

国家のために戦い、そして亡くなった英霊達が靖国にある以上は、そこに行き
慰霊するのが当たり前である。ナチスの犯罪と同系列に扱う問題ではないし、
「ノイエ・ワッヘ」自体が当初は戦死者とホロコースト犠牲者の双方を悼む国
家的な慰霊施設を目指したものの、ユダヤ人団体などが反発した結果、犠牲者
ユダヤ人)と加害者を一つの国家的慰霊碑に集約することに失敗したからこ
そ、件の「ホロコースト記念碑」が誕生したのである。

 

追悼のありかたとやらを問う前に、朝日が追悼のありかたを示してはどうか。
あぁ、お抱えの学者や文化人に語らせる手法はどうでも良いから、朝日新聞社
としての見解が如何なるものか読ませていただきたいものだ。