中国でインターネットに対する管理がいよいよ激しさを増してきた。中国当局
はこの春に開始したウェブサイト、ブログの完全登録制を今月末までに完成さ
せるとし、来月から非登録サイトの強制閉鎖を開始すると通告。ネットサービ
ス業者とサイト運営者の両方に罰金を科す徹底した登録制度で、辛うじて残っ
ていたネットの言論のすき間に、とどめを刺そうとしている。 

 

これは今年3月に施行された「インターネットIPアドレス行政登録管理令」
「非営利性インターネット情報サービス行政登録管理令」という新しい法律に
基づく措置とのことだが、次から次へと体制批判の下地になりそうなものへの
対処をしている。中国のネット利用者は1億人を超えるとされ、これまでは事
前の検閲が難しかったネット上の言論も、完全登録制にすることで統制をしや
すくなることだろう。

 

まったくもって恐ろしいことこの上ないが、それだけ中国にとってもネットの
脅威は差し迫ったものであることが伺える。ブログサービスを提供する企業が
好ましくない「NGワード」を設定したりと、我が国を始めとする民主主義国
家では考えられないようなことが平気で行われている。人治の国と評されるこ
との多い中国が、言論統制のために法的根拠を求める姿勢は何とも滑稽なこと
ではなかろうか。