世界が時を刻み続ける限り、現状維持を許されない業界と言うのは厳しいもの
だ。受け手が何を求めているのか、それが本当にコロコロと変わっていくのに
対応することは、理論的には可能でも現実的には難しい。作り手の勝手な想像
が受け入れられることは少ないのだ。まぁ購買層が極端に限られているような
ものであれば、作り手も流れを比較的「読み」やすいかもしれないが。

 

例えば音楽一つとってみても、初期の作品と今の作品を比べてみるとカラーが
随分と違うことは普通である。ベテランともなれば、原点回帰的な作品が発売
されたりもするわけだが、そこから聴き始めた人に受けたりする。そこから旧
作を聴くようになり、理解を深めていくことになることもあるだろう。むろん
常にある程度の売り上げを出すアーティストなどほんの一握りで、作品ごとに
試行錯誤を繰り返し、やがては消えていく。

 

個人的にはテレビを見ていて、未だに慣れない変化はアコムのCMである。今
まで担当していた小野真弓から品川庄司、浅野さと子、石坂ちなみの4人体制
へと変わり、サラ金の臭いを消し去るように、より「さわやか」を前面に出し
てきている。小野真弓も後期のCMでは照明で相当「飛ばし」ていたのが気に
なるところであったが(彼女はそんな年でもないのだが)、サラ金のCMはど
こまで突っ走ってくれるのか、ある意味先行き不安なところでもある。