新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した扶桑社の中学歴史教科
書をめぐり、韓国の地方自治体や学校、市民団体などが九州・山口の各県や政
令市あてに6月中旬以降、不採択を求める文書を相次いで送付していたことが
22日、分かった。自治体間の交流関係を利用、中学生に書かせるケースも見
られ、「歴史わい曲」と反発する韓国側が採択阻止に向けて強める外圧の一端
が明らかになった。

 

常軌を逸した採択阻止の動きであるが、韓国から届いたのは手紙、ファクス、
電子メールなどで、内訳は▽福岡市30通▽北九州市7通▽福岡県2通▽宮崎
県10通▽長崎県3通▽沖縄県2通▽山口県2通▽大分県9通▽熊本県1通。
鹿児島県は「正確には不明だが数十通届いた」(学校教育課)。佐賀県は「届
いたが、数は言えない」(同)としている。中学生に「動員」かけてまでと言
うことを考えると、韓国側の本気度が伺える。いずれにしても各自治体は、気
にせず公正な採択をしてれば良いだけのことだが。

 

手紙だけでなく、熊本県には6月20日、姉妹友好提携を結ぶ忠清南道の教員
などで作る「教科書訪問団」16人が訪問。石井二三男教育次長に対し、「扶
桑社の歴史教科書が採択されれば、友好を深めるつもりがあるのか疑問に感じ
ることになる」と不採択を求めた。訪問団は21〜22日には、県内14市町
村を回り同様の申し入れを行った。石井次長は「採択するのは市町村教委。県
は公正な採択を行われるよう適切に指導、助言する」と話している。

 

友好提携とは名ばかりの中で、むしろ圧力団体の如き振る舞いに、あくまでこ
ちらは正論で返していく。冷静さを見失った相手は、無理に突き放そうとする
のではなく、用件は聞き丁重にお帰りいただく程度の対応で十分であろう。各
自治体は、圧力を圧力と思わず嫌がらせに過ぎないのだと認識して欲しい。