衆院選が本格化する中、各党党首が趣向を凝らしたテレビCMで存在感を競い
合っている。シンプルなものから、奇抜な演出までさまざまだが、有権者に独
自性を訴える思いは共通だ。自民党小泉純一郎首相の主張する郵政民営化
特化。「余計な演出をせずストレートに訴える」(幹部)と音楽や効果音を排
除した。首相が正面を見詰め、「郵政公務員の既得権を守って、一体どんな改
革ができるんですか」と語り、国民の審判を求めている。

 

対照的に民主党はイメージ戦術を取った。白一色の背景を使い、岡田克也代表
の「誠実な政治姿勢」(幹部)を表現。また、「年金一元化を」「地方に権限
と財源を」などと次々に国会論戦での岡田氏の発言を流し、「郵政民営化だけ
が争点ではない」(同)ことを印象付けるが、岡田代表の“硬さ”も浮き出て
いる。選挙におけるテレビCMの役割とはどの程度のものなのか、各党ともさ
ほど力を入れている部分ではないのような気がするのは俺だけか。

 

政見放送にしても、やらないよりはやった方が良い的なものでは仕方あるまい。
自分の選挙区の候補者の政見放送を聞くために、ずっとテレビの前で待つ時間
などもったいない限りで、意外と積極的に行動しないと候補者本人の声を聞く
のは難しいかもしれない。やはりテレビを使った選挙が良くて、ネットを使っ
た選挙が出来ないというのも、何とも微妙なところではないか。垂れ流しのC
Mを見させられても、有権者には政党のイメージCMとしか見られないようで
はCM戦術も再考の余地があるのではなかろうか。

 

むろん公明党みたく「今度もそうはイカンザキ」とか「おふざけ」を公共の電
波を使ってやられても大迷惑極まりないのは「間違いない」。