ゲームソフトメーカーのユークスは14日、プロレス興行の新日本プロレス
発行済み株式51.5%を取得し、30日付で子会社化すると発表した。元プ
ロレスラーで新日プロのオーナーである猪木寛至氏から全株式を取得する。ユ
ークスは2004年から、新日プロのゲーム化に関する権利を独占的に取得す
るなど業務面で提携関係にあった。今回の資本提携によって、デジタルコンテ
ンツ事業のすそ野拡大を図るとともに、相乗効果による業績の拡大を目指す。
新日プロは昨年社長に就任し、経営を立て直した草間政一前社長が、今年5月
に突如解任され、退職金などを巡り、9月には民事裁判にまで発展。

 

猪木氏の娘婿で新社長に就任したサイモン猪木氏のもと、10月に行われた東
京ドーム大会が興行的に振るわず、借入金が再び増加。総額5億円以上に膨ら
んだとみられ、業界内部では破綻の危機がささやかれていた。ついにこの時が
きたと言ったニュースであった。東京ドーム大会が興行的に成り立たないのは
目に見えていながらも年3回を維持してきたが、来年1月4日で終止符を打つ
ことが今月8日に決定していた。確かに満員に近い人数を集められれば、地方
で打つ興行とは比べ物にならないほどの収益となるであろう。プロレスの人気
があればこそ支えられてきた東京ドーム興行、撤退は正解と言える。

 

新日本と対照的なのはノアである。昨年より東京ドームでの興行に打って出た
が今年7月18日には超満員6万2000人を集め、旗揚げ5周年興行を大成
功させている。プロレス純血路線を貫きつつも、大きな大会ではサプライズな
カード入れて成功させてきたこともあるだろう。新日本プロレスは一時期は格
闘技路線にぶれたことでファンを落胆させた罪は大きいはずだ。旧UWFイン
ターとの対抗戦とは訳が違う本物の格闘技の前に、トップレスラーとされた連
中が無残にマットに沈む姿は誰も見たくは無かった。さらに言えばへっぴり腰
とも言える無様なやられ方は、新日本の今日の姿を表していたのかもしれない。