民主党永田寿康衆院議員は2日、ライブドア事件をめぐる「送金メール」問
題について、国会内で改めて記者会見し、「すべて先入観と思い込みに基づく
もので、メールは本物ではない」と述べ、「偽メール」だったと初めて認めた。
2月28日夜の民主党声明は「偽メール」との認識を示したが、永田氏が同日
午後の会見で「一定程度の事実を含んだ可能性がある」と発言していたことか
ら、自民党が1日に公開質問状を出すなど反発を強めていた。永田氏は28日
の会見を「錯綜(さくそう)し、あいまいな表現を用いた。撤回する」と釈明。
自民党武部幹事長並びにご子息に心からおわび申し上げる」と謝罪した。

 

先日の会見では偽物であると明言しなかった永田議員であるが、民主党執行部
が事態の収拾を図るために鳩山幹事長、前原代表がメールは「偽物」であった
と断言し、永田氏の外堀を埋めて自らの口から「偽物」であると言わせるに至
ったわけだ。何よりも前原代表にとって盟友である野田国対委員長を失い、急
速に党内基盤が揺るいでいく中で、果たして9月の代表選に臨むことが出来る
のか怪しいものである。前原代表の中国脅威論や自民党からの大連立構想の揺
さぶりに民主党内は前原体制を公然と非難するようになり、総選挙の惨敗以降
は本当に安定した状態になったことはないのではないか。

 

4点セットをもとに攻勢を続けてきた中で、それら全てをメール問題が吹き飛
ばしただけでなく、自らの立場をも危うくしてしまった前原代表。小泉首相
余裕綽々に「色々あるが頑張って欲しい」と党首討論で笑みを湛えたまま言っ
たのは印象的であった。一部週刊誌ではこのメールを持ち込んだとされる情報
提供者が実名で報道されており、真偽が云々を過ぎて原因の追究へと移りつつ
あるようだ。永田議員が陥った情報管理の甘さこそ、民主党は噛み締めてこそ
国民の信頼を取り戻す一歩となるのではないか。
【民主党 「メール」問題についてのお詫び】