札幌市の耐震強度偽装問題で、北海道と札幌市は18日、マンションの構造計
算書を偽造していた浅沼良一・2級建築士刑事告発に向け、作業を始めた。
市の調査で4棟の耐震強度が基準を下回ったことが確認され、建築基準法など
に違反する疑いが強まった。浅沼建築士に構造計算を発注していた元請けの設
計事務所の告発も視野に入れている。今後連携を強化し、偽装したとされる3
3棟の再計算結果が出そろうのを待って、浅沼建築士と元請け事務所、監督し
ていた1級建築士らをどちらが告発するかや対象物件、適用法令などを詰める。

 

これが札幌で済む問題なら、マンションに住む住人にとってようやく収拾がつ
いたかと胸をなでおろすところであろうが、これで済むわけもない事態だけに
タチが悪い。この浅沼建築士の口からどれだけの「悪事」が明らかになるかは
今後の情勢を見ないことには明らかにならないだろう。姉歯建築士が真相を明
らかにしないまま、ヒューザーの破産手続きが進められ小嶋社長も口をつぐん
だ状態で事件が片付けられようとしている。その方がよっぽどの問題なのでは
ないのかと思うのだが、果たして所管の国土交通省はどのように考えているの
であろうか。この期に及んで前で事なかれ主義に徹しようと言うのか。

 

根が深い問題だけに住人としても自分のマンションまで追及されるのではと思
うこともあるだろう。だがそれ放っておいては真の意味での解決をすることは
出来ず、結果的に禍根を残すことになるのは間違いない。民主党の失態によっ
て政治的な追求が疎かになる中で、地方行政は徹底的に追求をすることが必要
であろう。確かに民間に出来ることは民間へと言うのは聞く分には耳障りが良
いが、民間へ丸投げし構造計算ソフトすらもたない担当部署を持つ自治体は問
題がないとは言えない。多くの問題を抱えているからこそ、より複雑なことか
もしれないが、安心・安全を解決するには時間が必要だ。