韓国の有力紙・東亜日報は27日、北朝鮮拉致問題への対応をめぐり韓国統一
省当局者が「日本政府とは立場が違う」と述べ、協調しない方針を明確にした
と伝えた。23日にカタールで行われた麻生太郎外相と潘基文・韓国外交通商
相との会談では拉致問題解決に向けた協力強化で一致。26日には、韓国政府
のDNA鑑定でも横田めぐみさんの夫は韓国人拉致被害者金英男さんである可
能性が高いとの結果が公表された。統一省当局者の発言は、こうした状況の中
でも、対北融和政策を推進している韓国政府としては北朝鮮に配慮せざるを得
ない、との立場を示したものとみられる。

 

融和政策が続く限りは韓国の拉致被害者は帰ってはこられないと家族に宣告し
たに等しいことではないか。国家とは国民の生命と財産を守る義務があるはず
だが、韓国民は拉致と言う犯罪に巻き込まれたとしても政府としては一切関知
しないとの表明であるなら、すでに国家としての役割を放棄したと言うことだ。
我が国と立場が違かろうが、拉致は日韓が一致して解決していくべき問題であ
り、それは誰よりも拉致被害者の家族が望んでいることではないか。協力関係
の強化は必然であると思われたのに、この発言は我が国だけでなく韓国の家族
にも悲しみをもたらしたに違いない。

 

核問題では世界を揺さぶり、偽ドル札や覚醒剤の製造、強制収容所を始めとす
る人権問題、そして拉致。同じ同胞とは言え韓国にとっては、北朝鮮は統一す
るには経済レベルも段違いとなってしまっており、ひたすら貢ぐことで崩壊を
防ぐと言う選択肢を取らざるを得ないとは言え、独裁国家に対して融和がどこ
まで通用するのかは微妙なところであろう。貢ぎ続けた結果、韓国も疲弊して
は何ら意味も無い。拉致においては日韓が連携すべき、これは堅持すべき原則
なのではないだろうか。