中国の胡錦濤国家主席は10日、北京の人民大会堂で、さる4月着任した宮本
雄二・駐中国大使から信任状の奉呈を受け、同大使と短時間会見した。胡主席
はこの中で「条件が整い、適当な機会に貴国を訪問することを願っている」と
語り、靖国神社参拝など具体的問題には直接言及しなかったものの、政治的障
害が除去されれば訪日するとの考えを示した。胡主席は現在の日中関係につい
て「困難な局面が生じているが、これは我々として目にしたくないものである。
中国の党と政府は一貫して日中関係を重視してきている。当面の政治面での障
害が取り除かれ、早期に両国関係が健全かつ安定的な発展の軌道に戻ることを
願っている」と指摘、中国としても関係改善を強く望んでいることを強調した。
また、胡主席天皇陛下及び小泉首相によろしくお伝え願いたいとのメッセー
ジを宮本大使に託した。

 

政治的障害が除去される、と言うことはポスト小泉に靖国神社に参拝しないの
であれば訪日し、関係改善を演出しても良いとのメッセージを送ったつもりで
あろうか。相変わらず上からモノを言うような態度だが、早期の関係改善はむ
ろん我が国としても望むことであり、中国側の政治的障害も取り除いてやらね
ばならないのではないか。本音では靖国神社の参拝などどうでも良いと思って
いるにも関わらず、批判をするだけで我が国においては政治問題化させること
が出来るだけに、このカードをみすみす捨てないところが中国のやり方だろう。
今までの首相であれば批判に屈して連続した参拝は行ってはこなかったため、
中国が靖国神社を対日カードとして利用し始めたのは明確である。これを止め
ない限り、中国に対しての不信感は消えることは無い。関係改善を強く望むの
であれば、それを一刻も早く拭い去ることだ。