小泉純一郎首相は19日の記者会見で、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テ
ポドン2号」を実際に発射した場合の対応について「米国政府ともよく協
議して、厳しい対応を取らなければならない」と述べ、対抗措置を取る用
意を示した。具体的内容については言及を避けたが、国連安全保障理事会
への経済制裁提案や、改正外為法や特定船舶入港禁止法などによる日本単
独の経済制裁を念頭に置いたとみられる。首相は「北朝鮮核兵器を開発
したり保有したりして得る利益はほとんどない。米国や韓国と連携しなが
ら、北朝鮮が理性的に自制的にミサイルを発射しないよう、さまざまな働
きかけをしている」と述べ、北朝鮮に自制を強く促した。

 

北朝鮮の重いベールをこじ開けて、自ら北朝鮮との対話のテーブルについ
小泉首相ならではの苦悩もあることだろう。自身の総裁任期が秋には終
わりを迎える中、なるべく厄介事が降りかからないようにしたいのも本音
かもしれない。だが、北朝鮮が無謀にも対決姿勢を強めていくのであれば
我が国としても座して待つほど愚かではない、ミサイル発射は何処に落ち
ようが経済制裁の発動を意味するのだと知らしめねばならないのではない
か。むろん我が国だけが経済制裁を行ったところで効果は限定的であろう
が、やはり韓国を無理矢理にでも引きずり込まねば北朝鮮の生命線を断つ
ことは出来ない。

 

蜜月関係と言われる日米関係が偽りではないことを証明するためにも、両
国が足並みを揃えて北朝鮮と対峙し、最悪の事態には国連の安保理へと付
託することになるだろう。すでに液体燃料の注入は完了したとされ、今に
も発射する姿勢を崩さない北朝鮮。何を考えているのかは将軍様のみぞ知
るところかもしれないが、この無謀極まりない暴発に何の意味があると言
うのだろうか。ワールドカップに向いた目を北朝鮮に向かせるため、なん
て理由なら冗談が過ぎるというものだ。