今月27日から3泊4日の日程で予定されていた韓国の金大中前大統領の訪
朝について、実務協議の韓国側首席代表を務める丁世鉉元統一相は21日午
前、記者会見を開き、「今は訪朝するのに適切な時期ではない」と述べ、金
前大統領の訪朝を延期としたことを明らかにした。北朝鮮のミサイル発射準
備の動きなどを考慮し、判断したものとみられる。北朝鮮への融和政策を進
める韓国としては、北朝鮮がミサイル発射準備を進めている問題で南北関係
の進展に支障が出ることを懸念し、発射しないよう求めるなど火消しに努め
てきたが、初めて具体的な影響が現れた。

 

この時期に訪朝をしていたら、あらぬ疑いまでかけられかねないと判断した
のか、さすがに延期をしたようだ。支持率浮揚の言動力は反日北朝鮮に対
するサプライズ的なアクションであろう。それが実のあることならともかく、
まったくメリットが無さそうなことだけに頭が痛い。ミサイル発射が実行さ
れれば、融和路線をとってきた金大中前大統領にも火の粉は降りかかり、盧
武鉉大統領もレイムダックと化すだろう。火消しに努めるのも韓国にとって
北朝鮮の暴発は何としてでも食い止めねば、完全に融和路線は破綻し日米か
らも制裁に協力するよう突き上げを食らうことになりかねない。

 

譲歩に譲歩を重ねてもまったく報われないのでは、韓国政府はともかくとし
て一般国民はげんなりしてしまうのではないか。ここまでコケにされながら
も政府が北朝鮮についていこうとするなら、当然大きな反動がやってくるこ
とだろう。朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」はテポドン2号騒動は米国の自作
自演と主張し、日本が日朝平壌宣言の履行を妨げているとまで批判している。
もう何も言うことは無い、暴発をするつもりなら止めはしない。困るのは北
朝鮮とそれに追随する韓国、利権を持つ中露くらいのものだろう。