サッカー日本代表MFの中田英寿選手が3日、現役引退を発表した。自身
のホームページ上で明らかにした。「何か特別な出来事があったからでは
ない。その理由もひとつではない」としつつも「プロサッカーという旅か
ら卒業し“新たな自分”探しの旅に出たい」と、引退理由について語った。
ワールドカップに3大会連続出場したほか、ビジネスの世界にも進出、従
来のサッカー選手の枠を越えて活動を行ってきた日本の中心選手が、29
歳という若さでピッチを去る決断をした。HPによると、中田英選手は「
半年ほど前からこのドイツワールドカップを最後に約10年間過ごしたプ
ロサッカー界から引退しようと決めていた」と、日本が1次リーグで敗退
したドイツ大会を最後に第一線から退く決意を、すでに固めていたという。

 

名実共に我が国のサッカーを牽引してきた中田選手の29歳での引退には
驚くばかりである。ホームページでは人生は旅であるとし、サッカーの旅
を終えて次のステップに進もうと言うのであるなら、引き止める理由は誰
にもないだろう。常に日本代表を叱咤し、試合後の会見では「今の代表で
はワールドカップを戦うレベルにない」と普通であれば言えないようなこ
ともズバリと口に出来る、そういった役割を担わされていたからこそ、や
はりチーム内でも輪からは外れた存在だったのかもしれない。ブラジルに
完敗した後は、ピッチ上にしばらく倒れ目を赤くしていた中田選手。おそ
らく自らのサッカーの旅が、ここドイツで終わったのだと実感していたの
かもしれない。絶対的なポスト中田が日本代表にいない中で、オシム新監
督は誰を中心に据えるのか、それも注目したいところだ。