額賀福志郎防衛庁長官は2日午後、硫黄島を訪れ、現地に駐留する海上
航空両自衛隊の部隊を視察するとともに、太平洋戦争末期の激戦地跡を見
学した。この後、額賀長官は記者団に「二度と戦争を起こしてはならない
と改めて痛感した」と強調。また、「平和は国民全体で勝ち取るべきもの
なので、過去の戦争を教訓にして、しっかりと共通の認識を持って政治に
取り組む必要がある」と語った。

 

大東亜戦争を通して日米最大の激戦地となった硫黄島。島の形が変わって
しまうほどの米軍の圧倒的な火力の前に、地下陣地を縦横無尽に構築して
対抗した日本軍。5日もあれば陥落出来ると考えていた米軍は、手痛い出
血を強いて本土進攻を少しでも遅らせると言う、最初から全滅ありきの日
本軍の作戦に、最後まで苦しめられ続けられたのだ。もともと人が住むに
は適さない硫黄島は、陣地を構築する段階から日本軍も苦しめられたが、
それを克服し米軍を迎え撃ったのである。

 

額賀長官が二度と戦争を起こしてはならないと痛感したと語るのも、硫黄
島と言う激戦地に平成の御世に足を踏み入れ、戦争の悲惨さを肌で知った
ことがそうさせたのだろう。過去を教訓として戦争を起こさないための努
力をし、それでも戦争をしなくてはならない時の備えがあってこそ平和は
保たれるものだ。戦争放棄憲法を高らかに掲げ、非武装でさえあれば攻
め込まれないような幻想が蔓延したこともあるが、それこそ平和を壊す最
悪の選択だったのは言うまでも無い。