WBAライトフライ級王座決定戦で、亀田興毅選手が王座を獲得した2日の
試合の判定などを巡り、試合を中継したTBSには抗議や問い合わせが殺到、
3日午前9時までに4万件を超える電話やメールが寄せられた。「公正さに
欠ける」「亀田選手の負けではないか」などの指摘が多かった。TBSへの
電話がつながりにくくなったこともあり、視聴者からは他局や、読売新聞社
など新聞各社にも、判定への意見や疑問が数多く寄せられた。テレビ朝日
は約150件、日本テレビにも約100件の電話やメールが届いた。日本プ
ロボクシング協会にも、3日朝から数秒おきに抗議の電話が寄せられ、「判
定に納得がいかない」などの意見が相次いでいるという。

 

ある意味、日本中の注目を集めるに至った亀田選手の王座決定戦への挑戦。
3兄弟全員が父親からボクシングを叩き込まれ、世界チャンピオンになるた
めの猛特訓を日々課せられてきた。ビッグマウスを駆使し、対戦相手をコケ
にした上で圧倒的な勝利を収める姿は、従来の日本人ボクサーには無いもの
であり、亀田人気は強烈にプッシュするTBSの甲斐あって王座決定戦まで
に最高潮の盛り上がりとなった。瞬間最高視聴率が50%を超えたのがそれ
を証明しているだろう。むろん、プロデビュー後の対戦相手が全て外国人選
手で戦績不明選手や明らかにピークを過ぎた選手を呼び寄せて戦わせ、そし
て勝利を収めた結果は、アンチ亀田を生む要因になったのは間違い無い。

 

肝心の王座決定戦も、中継したTBSに抗議電話が殺到するほどの不可解な
判定によって、亀田選手の勝利となった。特に終盤の解説も「亀田も良くや
った(が力及ばず残念)」と言う負けを意識した内容となっており、会場で
見ていた観客、テレビの前にいた視聴者にとっても、明らかな負けは「作ら
れたスター」の印象を残すだけであっただろう。ホームタウンデシジョン
地元判定)によって日本人王者が勝ち続けることが、果たしてボクシング
界のためになるのか。これを解決するには今後、亀田選手が王座を防衛し続
けることで虚像ではなく実像なのだと証明すれば良いだろう。だが、この一
試合は公式に記録されるものだと言うことを忘れてはならない。