北朝鮮による横田めぐみさん拉致事件を描いたドキュメンタリー映画「アブ
ダクション」が、11月に日本で公開されることが決まった。米国では既に
公開中で、日本では「めぐみ−引き裂かれた家族の30年」のタイトルでの
公開となる。上映は11月25日に東京・渋谷の「シネマGAGA!」で始
まり、全国で順次公開される予定。配給のギャガは「製作サイドからぜひ日
本でも上映したいと話があり、社会的意義もあると考えて協力することにし
た」としている。同作品は、めぐみさん拉致の真相究明に取り組む両親らの
姿を追った作品。米国では各地の映画祭で観客賞などを受賞しているほか、
今月18日からはハリウッドの劇場でも一般公開されている。

 

海外でこのような映画が製作されたことは、大きな意味を持つ。我が国のこ
とであるから、日本人が製作すべきかもしれないが、客観的に描くのであれ
ばやはり外国人の手による方が、よりドキュメンタリーとして正確なものと
なるであろう。いまもって解決をみない拉致問題を、より多くの人々に知っ
てもらうことで、拉致が現在進行形なのだということがわかってくる。本当
にごく普通の暮らしをしていた日本人が、いきなり拉致と言う犯罪に巻き込
まれ、北朝鮮によってその人生を大きく狂わされたのはまぎれもない事実で
ある。一連のミサイル乱射によって、経済制裁も一応は発動されたものの、
拉致問題の決着はまだまだ遠い。風化を防ぐ意味合いでも、このような映画
の全国公開が持つ意義は大きいそうだ。