安倍晋三官房長官は1日、広島市内のホテルで記者会見し、自民党総裁
への出馬を正式表明した。同時に新憲法制定や教育の抜本的改革を掲げた
政権構想「美しい国、日本。」を発表した。外交面では日米同盟、小泉純
一郎首相の靖国神社参拝で冷え込んだ中国・韓国両国との信頼関係の強化
を明記。格差を固定しない「再チャレンジ」を重点施策とするなど小泉改
革路線の修正も意識した。安倍氏の政権構想発表で既に出馬表明した麻生
太郎外相、谷垣禎一財務相を含め3氏の政策が出そろったが、安倍氏の優
位は揺るぎない情勢だ。

 

小泉首相の後継者として、総裁選を前に圧倒的な優位な位置につけている
安倍氏にとって、小泉路線の継承と修正を語ることは当然のことかもしれ
ない。党内の7割が安倍氏支持を固めたとされ、選対本部も各派閥から派
遣された議員で構成され、はや安倍内閣とされるほどの陣容である。当選
回数の少なさから、安倍氏の実力を疑問視する向きもあるが、当選回数が
多くても実力が疑問視される議員がいるのだ、やってみなければこればか
りはわからないだろう。それだけに期待も大きく、政権運営も生半可なこ
とではうまくいかない恐れもある。

 

美しい日本を目指すために、教育改革を掲げ自民党の党是である憲法改正
に向けての道筋を作る。それには党内がまとまらねばならないだろうが、
反安倍陣営が足を引っ張らないことを祈るばかりだ。政治の世界の論理で
国益が害されるようでは、何のための政治家なのだと言うしかないのでは
なかろうか。