小泉純一郎首相の任期満了に伴う自民党総裁選は20日、党所属国会議員
による投開票と党員票の開票が行われる。安倍晋三官房長官の優位は揺る
がない情勢で、谷垣禎一財務相麻生太郎外相に大差をつけ第21代総裁
に選出される見通し。安倍氏は25日に党新三役を指名、26日に衆参両
院本会議の首相指名選挙を経て組閣する。安倍陣営は「圧勝ライン」を得
票率7割と設定しており、得票数は人事や新政権の求心力に影響するとみ
られる。総裁選は国会議員票403票と党員投票に基づき都道府県に割り
振られる地方票300票の計703票で争われ、国会議員票は午後2時か
ら党本部で投票を行い、ただちに開票される。

 

圧倒的な支持を集めた安倍氏であるが、やはり勝ち馬の尻に乗っかるよう
なみっともない議員がやたらと目に付いたのも事実であろう。特に政策が
噛み合うとも思えない議員が、難癖つけて安倍支持を打ち出したあたりか
らして、今回の総裁選の異質さを見ることが出来る。対抗馬として早くか
ら名前の挙がっていた福田氏が、自ら不出馬宣言をしたあたりから雪崩を
うったように安倍支持が広がり、本来福田氏の票を集められるはずだった
谷垣氏は梯子をはずされたように、麻生氏と熾烈な二番手争いと揶揄され
る状況になってしまっている。生き馬の目を抜くような世界かもしれない
が、同床異夢のまま政権運営をしなければならないのは、安倍氏にとって
もあまり好ましいことではないだろう。