中国でも人気の高い漫画「クレヨンしんちゃん」に関する商標を中国企業
が登録したため、中国国内でキャラクターグッズの販売ができなくなった
として、出版元の双葉社が商標登録取り消しを求めて訴訟を起こしたが、
北京市第1中級人民法院(地裁)が訴えを退ける判決を下していたことが
30日分かった。著作権を管理している出版元が、中国ではしんちゃんグ
ッズを販売できないという異例の事態になっている。

 

中国国内ではWTOに加盟後も当たり前のように海賊版が売られており、
正規版を売る方にとって多大な損害を被ると言う状態が続いている。当然
それらを是正すべきなのは中国当局の他ないのだが、裁判所で本来著作権
を持つ側の権利が認められず、先に勝手に登録した中国企業にお墨付きを
与える結果に終わっている。このような無法行為を裁判所が認めたこと自
体あまりにひどい話であり、早急に解決せねば悪しき前例を作りかねない。
このようなことを容認していては、外資系の企業が中国に進出する上での
大きな障害となることだろう。

 

依然として経済成長の維持は外資頼みな部分がある中国は、投資熱が冷め
ては困るのが本音であって、このような海賊版の横行を必ずしも容認して
いるわけではなさそうだ。だがキャラクターとは創作物であり、それをそ
のままパクった形で登録するのを認めてしまっては、ルール違反も甚だし
いし、何とか取り締まって欲しいものだ。