安倍首相が先月20日に自民党総裁に選出された後、首相就任前に公明党
の支持母体・創価学会池田大作名誉会長と極秘に会談し、来夏参院選
対中関係をめぐり意見交換していたことがわかった。関係者によると、会
談は26日の安倍政権発足以前に、東京都内の創価学会の施設で行われた。
安倍首相は総裁選直後に秋谷栄之助会長に電話で就任あいさつした際、池
田氏との面会を要請したという。席上、首相は父、安倍晋太郎元外相が生
前、池田氏から厚誼を受けたことに謝意を表し、参院選での公明党創価
学会の協力を要請。池田氏は「しっかり応援したい」と述べ、協力を約束
したという。

 

本来一宗教法人に過ぎない創価学会に一国の首相がわざわざ出向き会談す
ることの異常さ、それについて何故記事に書けないのか。公明党に出向く
なら政党と政党の対話であろうが、公明党と一心同体とは言え創価学会
参院選の協力を要請するなどあってはならないことだ。協力をしてやるか
ら頭を下げに来いとでも池田名誉会長は考えていたとすれば、政教分離
原則からすれば公明党創価学会は一体であると見られても仕方なかろう。
どの組織も真似出来ない集票力をバックに、宗教法人が国政に関与し続け
ることは我が国にとって好ましいことではなく、このままの状態が続くの
は望むべきことではない。

 

代議士は落選すればただの人になってしまうかもしれないが、当選するた
めに公明党創価学会に頭を下げ続ける負の連鎖を続けていくのか。小選
挙区と言う制度上、次点以下は全て落選である。当落線上にある候補が一
押しとして学会票を欲しがるのもわからないでもない。だが、自民党が仮
に野党に転落した時に公明党はそれに着いていくかは甚だ疑問である。民
主党にせよ労組がバックにある以上、集票力を持つ組織に政策が影響され
続けるのは間違い無い。だが、もっとも恐ろしいのはそれが当たり前のこ
とだ思ってしまう、「慣れ」にだけには注意を払いたいところだ。