ソニー・コンピュータエンタテインメントの新型ゲーム機「プレイステー
ション3」が11日、全国で一斉に発売され、ゲーム機の年末商戦に向け
た販売競争がスタートした。2000年発売のPS2から6年ぶりの新機
種で、高精細な映像や次世代DVD「ブルーレイディスク」の再生機能な
どが特徴だ。主要部品の生産の遅れで出荷台数が少なく、ほとんどの店で
短時間で売り切れた。

 

このところ業績が芳しくないソニーにとって、発売直前にも関わらず値下
げを断行し決意を見せた「プレイステーション3」であるが、生産の遅れ
から出荷台数がかなり少ない中でのスタートとなった。さらに一部機能が
実装に間に合わず、ユーザーが購入後にダウンロードして対応しなくては
ならないような事態まで招いている。年末商戦に間に合わせるためとは言
え、このようなごり押しスケジュールの結果、不利益を蒙るのは最終的に
はPS3を買ったユーザーであろう。

 

液晶テレビが好調の中で、ノートパソコンに搭載されたソニー製リチウム
イオン電池が発火すると言う現象のために、全世界で回収をよぎなくされ
巨額の負担となり、そして今回のPS3の値下げにより、2007年3月
期連結決算業績予想は大幅な下方修正となることが発表されている。次世
代DVDの規格競争に勝ち抜くために、ソニーとしてもPS3に賭ける意
気込みは相当なもののはずだが、端から見ていると打つ手が後手後手に回
っているような印象すら受けるのである。