テレビドラマ「冬のソナタ」をきっかけとした日本の韓流ブームは、ひと
ころに比べると下火になっている。韓国の映像業界は「冬のソナタ」を超
える人気コンテンツの不在が大きな理由と分析。新規の市場開拓などで日
本での需要の落ち込みを補っているのが実情だ。韓国から外国へのテレビ
ドラマの輸出は減少傾向にある。中でも、最大のマーケットである日本へ
の放送番組の輸出額は05年の6637万ドルから、06年は4917万
ドルに。全体に占める割合を見ると、60%から44%に大幅に縮小した。

 

韓流ブームが過剰投資とも言えるようなコンテンツの大量投入により衰退
したのは明らかであろう。本当に良質なコンテンツだけが我が国に持ち込
まれたのであるなら、ブームではなく我が国に韓流そのものが定着する芽
もあったはずだが、悪貨が良貨を駆逐するがごとく一気にブームは終息し
てしまったのである。もともと韓流ブーム自体に嫌悪感を抱く層もおり、
韓流四天王、韓国で何百万人動員などとコピーをうったところで、視聴率、
興行収入ともに万人受けせずふるわない状態となった。

 

ブームが意図をもって創られるものであるとは言え、韓流はそれが顕著で
あり、中年女性が大挙して空港や宿泊先に集まる姿は、他の世代からは良
い印象を持って見られることはなかった。さらにブームはコンテンツの買
い付け額を実態をかけ離れたほどに高騰し、買い付けてもペイしないよう
な商品となってしまった。ブームの終焉でこれが是正されることは間違い
ないが、韓流作品を買い付けようとする動きは鈍るだろう。ブームはいつ
かは終わるとは言え、ここまで極端だと悲惨な結果でしかない。