昨年12月に成立した防衛庁の省昇格関連法の施行に伴い防衛省が9日、
発足した。安倍晋三首相は同省内で行われた記念式典で訓示し「国防と
国際社会の平和に取り組むわが国の姿勢を明確にできた。戦後レジーム
から脱却し、新たな国造りを行うための第一歩となる」と述べ、省昇格
の意義を強調した。その上で、首相は「美しい国と国民の未来、世界の
平和と安定という崇高な使命のため、さらに献身的な貢献を切望する」
と求めた。首相は同日午前の閣議前に久間氏に防衛相の辞令を交付した。

 

ついに発足した防衛省。防衛関係者にとっての悲願であり、我が国が世
界でも有数の軍隊を持ちながら、内閣府の一外局に過ぎなかった防衛庁
の存在はちっぽけなものであったかもしれないが、ようやく防衛相を戴
く省として始動することになる。むろんこれをもって自衛隊の意義が簡
単に変わるわけでは無く、本来任務とされた海外派遣についても未だに
武器使用の基準が正当防衛と緊急回避のみ、と言う著しく問題のあるま
ま今後も運用していくのか、より一層の議論が必要とされる。あくまで
第一歩であり終着点では無いのだ。