在韓米軍は10日、レーダーによる捕捉が困難な米空軍のF117ステル
ス戦闘機が近く韓国に配備されると明らかにした。規模については15〜
24機としている。韓国内の米軍基地を拠点にし、今後数カ月にわたり訓
練を実施する予定。米軍が韓国にステルス戦闘機を展開させるのは03年
以降、4回目。北朝鮮が新たな核実験を準備していると伝えられる中での
配備だが、在韓米軍は「北朝鮮の事態とは関係がない通常の任務」として
いる。北朝鮮は強く反発するとみられる。

 

風雲急を告げるとまではいかないにせよ、朝鮮半島は不安定であり牽制の
意味も兼ねてF117の配備をするのは想定の範囲内である。北朝鮮には
F117を迎撃出来るだけの戦闘機、レーダー網をもたないであろうし、
迎撃に上げたところで、ただでさえ欠乏している航空燃料の無駄となるの
は明らかであろう。これも北朝鮮への圧力の一環としてそれなりの効果を
もたらし、金融制裁や経済制裁だけでなく軍事面でも北朝鮮を追い詰めて
いくことは心理的に圧迫を与えられるはずだ。

 

韓国内では盧武鉉大統領が国民の支持を失い、来年に控える大統領選まで
レームダック化が予想され、対北朝鮮政策の抜本的な変更は正直なところ
期待出来るレベルには無い。我が国も北朝鮮に対して出来ることは徹底的
に行っていく他あるまい。むろん山崎元副総裁が北朝鮮を訪問している件
に関しては安倍首相が不快感を示しているように、何をしに行くのか不透
明な外交は決して好ましいものではない。