自民党は9日の総務会で、17日の党大会で採択される平成19年の党運
動方針案を了承した。「美しい国づくりに向けて」と題した運動方針は、
重点政策に新憲法制定や外交力強化、教育再生を前面に掲げ、安倍晋三
相の「保守再興路線」を強く打ち出した内容となっている。靖国神社につ
いては「参拝を受け継ぎ、国の礎となられた方々に対して謹んで哀悼の誠
をささげる」と記し、また、家族のきずなや伝統・文化、心の豊かさなど
を「保守する」とし、保守政党としての自民党を強調した。

 

自民党は我が国の戦後政治史の大半を政権与党として占め、時には左にぶ
れ右にぶれと良い意味でも悪い意味でも世相に合わせて方針を変えてきた
と言っても良いだろう。金権腐敗に政権が揺れるたびに政治改革を打ち出
すも、今なお金にまつわる不祥事による辞職員や逮捕は後を絶たない。む
ろんそれは野党とて同じことかもしれないが、族議員と呼ばれる既得権益
を握った議員は与党である自民党に集中する。これを抵抗勢力として敵対
勢力を作り上げ支持率に結びつけたのが小泉前首相であったわけだ。

 

はたして自民党に本当の保守政治家がいたのか、その点は疑問であるもの
の安倍首相が目指す美しい国に向けて、日本人が本来持っていたにも関わ
らず消えゆくある大切なものを守っていく、そのためには何が必要かをし
っかりと運動方針としてまとめてくれることに期待をしたい。何よりも靖
国神社参拝に関して「受け継ぐ」と記したことは、適切な時期に安倍首相
は参拝をするとの意思表示であろう。憲法改正教育再生など目指すべき
ことは多々あるが、まずは目の前の出来ることから始めよう。