自民党山崎拓・元副総裁の訪朝は、拉致被害者家族の目にはスタンドプ
レーとしか映らない。都内で18日夜に開かれた集会で、家族からは批判
の声しかあがらなかった。家族会代表で、横田めぐみさんの父、滋さんは
「政府の意向を受けて行くのならともかく、単独で行くのはマイナスだ」
と述べた。増元るみ子さんの弟で、家族会事務局長の照明さんは集会の中
で、蓮池薫さんの兄で、家族会副代表の透さんが17日に山崎氏と面会し、
「訪朝を評価した」と一部報道の内容を否定した。

 

一部報道とは毎日新聞が報じたものを指しているものと思われるが「安倍
政権の対北朝鮮「圧力」強硬路線に、被害者家族から疑問符が付けられた
格好で、今後の政府の対処方針に微妙な影響を与えそうだ。」と記事に書
かれていたものの、蓮池透さんは「『(訪朝を)全面否定はしないが』と
言ったのが、『評価』ということになってしまった。評価しているという
のはまったくの間違い。山崎氏に利用された。軽率だった」と話したとさ
れ、毎日新聞と山崎氏が組んで蓮池透さんをハメたと言われても仕方のな
いような汚い報道の仕方だ。

 

政府・自民党からも総スカンを食った形の山崎訪朝。さらには家族会から
も二元外交としてマイナスであると評価され、いったい何のための訪朝だ
ったのかまったくもって不明である。対話するには何らかのカードが必要
となるだろうが、山崎氏にとっては国交正常化交渉再開への目処をつける
ことがカードだったのであろう。むろんこれは将来の経済協力と言う形で
の紐付きなのは言うまでも無い。批判の鉾先をかわすために家族会を利用
しようとしたのであるなら、救いようがない政治家である。