2日行われた埼玉県の新規採用職員の就任式で上田清司知事が「自衛官
人殺しの練習をしている」と発言し、後に「適切ではなかった」と釈明す
る一幕があった。 発言は県庁職員としてのやりがいなど、使命感につい
て触れた場面であった。「自衛官の人は、平和を守るために人殺しの練習
をしている。警察官も、県民の生命や財産を守るために、人を痛めつける
練習をする。だから我々は『偉い』と言って褒めたたえなければならない」
と話した。

 

何故このような発言をするのだろう。30日、急患搬送の要請を受け鹿児
島県・徳之島に出動した陸上自衛隊の大型輸送用ヘリコプターが、徳之島
北部の天城岳山頂付近に墜落し、全員が亡くなると言う痛ましい事故があ
っただけに、上田知事の発言に自衛隊員は怒りを憶えていることだろう。
この発言を受けて守屋防衛省事務次官は「救急患者輸送や災害派遣、海外
での人道復興支援活動など多様な任務にこたえるのが自衛隊の仕事だ。戦
闘場面に限定されるものではない」と反論した。

 

式の後で、上田知事は「マイナスの仕事がある自衛官や警察官と比べて、
県庁の仕事は多くの人に喜びを与え、自らも喜びを感じられることを説明
したかった。分かりやすくするため『人殺し』という言葉を使ったが、適
切ではなかった」としているが、人殺しと言う言葉自体、日常生活でそう
そう使うようなものでもなかろう。分かりやすい例えのために、無用の誤
解を招く。上田知事には猛省を促したい。